So-net無料ブログ作成
検索選択

京都北山でコンサート [音楽]

2016-12-07 17.42.04.jpg

 去年の12月7日、年内最後のコンサート詣では、京都北山にある京都コンサートホールで開かれたジャズコンサートでした。京都でも北山方面は滅多に行かないので楽しみしていたのですが、冬の日は短くて地下鉄の駅を降りたらもうすっかり日が落ちていました。

2016-12-07 17.28.55.jpg

2016-12-07 17.29.14.jpg

2016-12-07 17.29.34.jpg

 代わりに駅からコンサートホールまでの道のりが、クリスマス前のライトアップで彩られていて別の楽しみがありました。

2016-12-07 17.32.09.jpg

 ホール前の池にもイルミネーション

2016-12-07 17.32.12.jpg

 初めて来るホールなのですが、立派なホールで驚きました。

2016-12-07 17.36.06.jpg

 一階から二階上がる回廊の壁にこのホールで演奏した演奏家たちの写真が飾られていました。内外のクラシック音楽の演奏家ばかり、小澤征爾や朝比奈隆、岩城宏之、フランツ・ブリュッヘン、アルフレッド・ブレンデルなど錚々たる顔ぶれでした。

2016-12-07 18.12.34.jpg

 演奏会場に入ると、この間の大阪のコンサートホールのように正面に大きなパイプオルガンが据え付けられていました。京都コンサートホールのパイプオルガンは国内最大級だそうです。一度生の演奏を聴いてみたいものです。

2016-12-07 18.14.43.jpg

 私の席から見たステージです。今回ぎりぎりにチケットを買ったにもかかわらず、前後左右どちらからもど真ん中の席を確保することが出来てラッキーでした。


img120.jpg

 当ホールはクラッシック演奏が主のようですが、この夜はビッグバンドジャズです。よく調べもせず、「スエーデンの歌姫マルガリータ・ベンクトソン」という宣伝の惹句に引かれて衝動的にチケットを買ったのでした。

 ところが行ってみると、主役はアロージャズオーケストラというビッグバンドオーケストラでした。アロージャズオーケストラは60年以上の歴史がある関西でもトップクラスのジャズオーケストラなんですね。全然知りませんでした。

 ビッグバンドジャズは、昔サド&メルオーケストラアール・ハインズオーケストラカウント・ベイシー楽団などを聞きに行ったことがありますが、それはいずれも20代の頃の話なので、今回ほぼ40年振りのことになります。

 初めて聞いたのがサド&メルでした。ビッグバンドとかジャズオーケストラというのでクラシックのオーケストラのイメージして行ったら、思ったより小さい編成で驚きました。

 ジャズオーケストラの場合、ドラム、ピアノ、ベースのリズムに、トランペット4、トロンボーン4、サックス系4という管楽器中心の構成なので、弦楽器がない分少人数になるのは当たり前ですね。

 生のコンサートへ行くようになって、初めて鳥肌立ったのが、ビッグバンド演奏でした。トランペットやトロンボーンのセクションがいっせいに立ち上がって吹くところがなんともかっこうよく感じたものでした。

 ソロを取るミュージシャンが、タキシードから長い手足をはみ出させて、ひょうひょうとした格好でステージ中央に出て来る様子もユーモラスでした。

 そしてビッグバンドのジャズは、クラブなどでお客を楽しませるために演奏してきた成り立ちがあるので、演奏を聞かせる面が強いコンボジャズに比べてエンターテーメント性が強いですね。聞いているだけで自然乗ってきますし、楽しいです。

 今回のアロージャズオーケストラは、私が今まで聞いたビッグバンドに比べると日本人で構成されているので、当然ですが小さく見えました。でも、演奏の方は、さすが歴史のあるバンド、ちゃんとビッグバンドの醍醐味を聞かせてくれました。

 いきなり「A列車で行こう」で始まりました。バンド全体がいっせいに演奏すると、心地よい音の厚みがステージから客席に押し寄せます。アンサンブル、ソロ、掛け合いがあって、嫌でも盛り上がってきます。

 この夜は、デューク・エリントンの曲中心でした。家のオーディオではビッグバンドもエリントンもあまり聞かないので新鮮に感じましたね。演奏を聞きながら、エリントンの曲ってこんなに楽しかったのか、家に帰ったら聞き直してみようと思いました。

 数曲アロージャズオーケストラだけの演奏があり、もう一人のスエーデン人のゲスト、ペーター・アスプルンドがトランペットとフリューゲルホーンをもって登場しました。

 私は、マルガリータ・ベンクルトソンしか眼中になかったので、彼が出てきたときそう言えばパンフレットにそんな人が書いてあったな、と言う程度の認識しかなくあまり期待していませんでした。

 ところが彼がトランペットをもって、イン・ア・センチメンタルムードを吹き始めた時、今まで聞いていたトランペットとは違うことがすぐにわかりました。会場もそれを知るように身じろぎもせずに耳を傾けています。

img122.jpg  

 そんなことを言っては失礼ですが、その前にアロージャズオーケストラのトランペット奏者が取ったソロとは明らかに違いました。吹かれる一音一音がしっかりしていて、音は澄んでいて力強く、管を震わせながら綺麗に吹き上がります。

 スローな曲をたっぷり聞かせる場面が多く、ちょっとアート・ファーマー系かなと思ったのですが、アップテンポの曲では勢いよく吹ききって、ハイノートを連発してました。流石です。

 サド、メルのサド・ジョーンズは有名なトランペッターでしたし、カウント・ベイシー楽団にも優れたトランペッターがいたはずですが、もう40年も前のこと、すっかり忘れています。今夜はペーター・アスプルントと言うトランペッターを知り、生で聞けたことが最高でした。

 彼は、トランペットの他に歌も歌いました。歌もトランペット同様、温かみのあるバリトンで、おおきく勢いよく声を張り上げていました。彼がジャズに最初に引かれたのはルイ・アームストロングを聞いてからなのだそうで、サッチモ同様、歌とトランペットを見事に実現しています。

img121-003.jpg リベカ

 なかなかお喋りも上手で、長身、素敵な紳士という感じでした。そして今回の演奏会、何が良かったと言って、MCにリベカさんがいてくれたことです。

 曲の説明からバンドやミュージシャンの紹介、ゲスト演奏者との英語での丁々発止のやりとり、いつもなら面白い話も私は置いてきぼりになりますが、彼女が煥発を入れず翻訳してくれます。

 ペーター・アスプルンド、来日は確か4度目と言っていたと思います。日本は素晴らしい、レストランでもカフェに入ってもジャズが流れていて、まるでジャズ大国だと言ってました。本当に最近はショッピングセンターでも当たり前にジャズが流れていますからね。


img123.jpg  

 後半、お目当てのマルガリータ・ベンクトソンが出てくるのですが、私はすっかりペーターに圧倒されていて、肝心の彼女の歌には今ひとつ乗り切れませんでした。

 透明で綺麗な歌声なのですが、ジャズというとどうしてもハスキーボイス、PAの関係かオーケストラがいっせいに演奏しだすと彼女の声がかき消されがちでした。

 ヨーロッパ人らしく彼女も長身で赤いドレス姿が舞台映えしていました。とても50歳には見えない綺麗な方でした。ただ、その声の質からビッグバンドといっしょに歌うより、ピアノトリオをバックにしっとり歌う方が合っているように思いました。スエーデンでもソロになる前は、ユニットを組んでアカペラで歌っていたりしたそうです。

 最後は、ペーター・アスプルンドも加わって、おおいに盛り上がりました。彼は客席だけでなく、他の演奏者を乗せるのも上手で、アロージャズオーケストラのトランペッター二人と彼との三人でトランペットバトルを始めた時は、ほんとに楽しかったですね。

 もちろん実力差は歴然としてましたが、オーケストラのトランペッターも楽しそうに演奏してました。こんな一流のトランペッターとバトル出来るなんてめったにないのではないでしょうか。きっと勉強になったと思います。

img124.jpg

 会場ロビーでペーター・アスプルンドのCDは一枚しか販売されていませんでした。その一枚を購入して、後からこちらの一枚を中古で手に入れました。ジャケット写真からして、こちらのほうが若い時の演奏のようです。若々しくシンプルに吹いていてお気に入りです。


 と言うことで今夜のYouTubeは、abcの順序を無視してPeter Asplund(ペーター・アスプルンド)です。少し早いですが、マイ・ファニー・バレンタイン


nice!(40)  コメント(18) 

秋の記憶 [音楽]

DSC_2208-001.JPG

 野山は錦秋などと言われるこの時期、一瞬だけ華やぎを取り戻したかのように輝いて見えます。しかし、それもおおかた散ってしまって、12月、これからは灰色の空と黒い裸木のシルエットが目立つ淋しい季節になっていきます。

 冬は朝起きるのがつらかったり、寒くて嫌ですが、季節自体はそれほど嫌いでもありません。春や夏の草刈作業などから開放されて、趣味の時間が増えます。霜で白くなった天井川沿いの土手を鳥を探して歩いたり、暖房の効いた部屋で音楽を聞くのも悪くありません。

 寒い季節になると私は妙にクラシック音楽が聞きたくなります。クラシックと言っても、持っているレコードは、バッハやモーツアルト、ベートーベン、シューベルト、チャイコフスキーなどの入門的な小品ばかりなのですが。

DSC_5339-001.JPG

 先日、久しぶりにお気に入りのヴァイオリニスト、アルテュール・グリュミオーのレコードを引っ張り出してみました。モーツァルトのバイオリン協奏曲第五番イ長調K.219、相変わらずグリュミオーのバイオリンは、美しく甘く優しく、そして懐かしく語りかけてきました。

 美しさと甘さと優しさはモーツァルトとグリュミオーのバイオリンがもたらすものなのですが、懐かしさは私自身の心象によるものだと思います。このアルバムは、若い頃、東京でひとり暮らしをした時よく聞いていました。

 当時、ジャズは浴びるように聞きましたが、少ないライブラリーのクラシックは一枚一枚、心をたぐるように聞いていた気がします。クラシックの曲はそのメロディのせいか、心がより情緒的に動くのです。優しく甘い気持ちに包まれたり、寂しさに閉じ込められたり・・・


img101-001.jpg

 と、前フリが長くなってしまいましたが、先日、久し振りにクラシックコンサートへ行ってきました。クラシックと言っても、アンコールなどでよく演奏されるような耳馴染みのよい小品を集めたもので、ブルガリアの室内楽団、ソフィアドリステンと若いソロイスト、リヤ・ペトロヴァの「名曲の花束」というものでした。

img104-001.jpg

 大阪にあるザ・シンフォニーホールは初めてでしたが、立派なホールですね。正面にパイプオルガンが控えています。このホールはかつてカラヤンが世界一の響きとたたえたそうです。

DSC_0208-001.JPG

DSC_0209-001.JPG

 クラシックのコンサートは東京にいたときは時々行っていましたが、田舎に暮らすようになってからは記憶にありません。ですから、約40年振りくらいになるでしょうか。

img108.jpg

 演奏曲目は順序が少し違うかも知れませんが、だいたいこんな感じでした。あまりにも有名な曲があまりに当たり前に演奏されるので、聞いていると時々何とも言えない面はゆい気持ちになりました。

 それでも3曲目でしたか、シューベルトの「楽興の時~第3番」が演奏されたときは、はっとして涙がこぼれそうな気がしました。実際そんなことは無かったのですが、この曲を聞くと何とも言えない淋しい気持ちにとらわれます。

 私が持っているレコードはアルフレッド、ブレンデルのピアノ演奏なのですが、その昔この曲を繰り返し聞いていたとき悲しい事があったのかも知れません。まるで前世の記憶のように、今ではもう思い出すことも出来ないのですが、身体のどこかに染みこんでいるのでしょう。

img105-001.jpg

 ソリストのリヤ・ペトロヴァは、最近コンクール優勝をしている注目の若手バイオリニストです。前半、後半、演奏曲目のそれぞれ半分くらいに出演していました。美しく透明なバイオリンの音色、とくに最後のツゴイネルワイゼンは全身全霊で弾く熱演でした。

 あっという間の2時間でした。これだけの楽団とソリストが揃った演奏会でしたが、チケット代はとってもリーズナブルでボブ・ディランやダイアナ・クラールの4分の1ほどで済みました。


DSC_0197-001.JPG

 余談ですが、ザ・シンフォニーホールはJR大阪駅から歩いて20分もかからないところにあります。正面には大きな木立のある小さな公園があり、開演を待つ人たちなのかたくさんの人がベンチに腰掛けて寛いでいました。その公園の端とシンフォニーホールの角に二軒の喫茶店が並んでありました。

DSC_0199-001.JPG

 そのうちの一軒がこちらです。静かな佇まいのホールと公園のなかで、このピンク色の庇の文字が遠目にも目立ちました。店名のアントレより「珈琲は黒い魔女」の方が目立っています。是非入って見たかったのですが、あいにくこの日は定休日の看板がぶら下がっていました。

DSC_0201-001.JPG

 仕方ないので、一軒おいて隣のこちらのお店に入りました。こちらも入り口からして雰囲気を出していますが、内装、椅子やテーブル、昭和感たっぷりのたたずまい、今では懐かしいお店でした。

 店内はほぼ満席に近い状態、年配のウェイトレスさんが一人、休みなく動き回っていました。私は一人だったのでなんとか座る事が出来ました。

 入り口の扉に、小さなメモのような張り紙で、店内でパソコンを使うな、文章を書くな、寝るなというようなことが書かれていました。店主のこだわりでしょうか。そのせいもあって、店内の写真を撮ることもはばかられました。

 あちこちから聞こえてくる大阪のお喋りの間を縫うように、店内にはジャスが流れていました。カウンター近くにアンティークラジオのような形をしたsunsigmaと言う見慣れない機器があり、そこには黒い太いコードが一本だけ繋がれています。たぶん、有線ではないかと思うのですがエンドレスにジャズが流れていました。

 都会へ行くと、こういう個性のあるお店に出会うことがあるので楽しいですね。田舎はなかなか喫茶店そのものがありませんし、あっても大手チェーン店であったりしてあまりありがたくもありません。


DSC_0212-001.JPG

 演奏会はマチネでしたので、終わって大阪駅に戻り、いつものようにヨドバシカメラ店内を少し見て歩きました。そんなに長居したつもりはなかったのですが、外へ出ると外はもう暗くなっていて、街はもうクリスマスイルミネーションにきらめいていました。


 今日はジャズではなく、クラシックから選曲することにしました。アルテュール・グリュミオー、アルフレッド・ブレンデル、どちらも偶然なんですがA行で始まる演奏家です。どちらにしようか大いに迷いましたが、こちらは私のお気に入り、クララ・ハスキル&アルテュール・グリュミオーのモーツァルトです。 



nice!(47)  コメント(32) 

実はボブ・ディランを・・・ [音楽]

img075.jpg

 4月7日にたいへーさんがボブ・ディランの記事をブログにアップされたときは、私の行動を見透かされているような気がしてどきっとしました。その頃、すでにボブ・ディランの来日コンサートツアーは始まっていて、私がチケット購入していた大阪追加公演は一週間後に迫っていたのです。

 ボブ・ディランは60年代から70年代、フォークブームの立役者であり、反戦、反抗の旗手として神格化された存在でした。その頃青春時代を過ごした私は、当然ジョーン・バエズらとともに影響をうけました。

 しかし、バエズにしてもディランにしても60年代から70年代にかけてよく聞いただけで、その後のことはあまり知りません。高いチケット代を払ってまで行くべきか迷っていました。しかもチケットもSSしか残っていなかったのであきらめも付いたのです。

 ところがダイアナ・クラールのコンサート会場で追加公演が決定したことやチケット優先販売のコマーシャルがあり、つい勢いで申し込んでしまいました。


 当日、少し早めに家を出て、いつものヨドバシカメラで時間つぶしてから中之島にあるフェスティバルホールへ行きました。フェスティバルホールに来るのは初めてのことでした。

2016-04-13 17.53.01.jpg

 地下鉄四つ橋線、肥後橋駅で降りて地上に出てみたら、そこには高層ビルが林立していました。どれがフェスティバルホールのあるビルなのか。

2016-04-13 17.53.05.jpg

 高架下を通ってその向こうにあるのがどうやらフェスティバルホールのある中之島フェスティバルタワ-のようです。街には予報通り雨が降り出していましたが、なんとか傘をささなくても歩ける程度の降り方でした。

2016-04-13 17.56.34.jpg

 フェスティバルホールの玄関前、イルミネーションは地下にある飲食店街へ降りる階段です。

2016-04-13 18.17.08.jpg

2016-04-13 18.16.52.jpg

 生憎の雨で、テラスに座る人はありません。

2016-04-13 21.28.45.jpg

2016-04-13 18.18.26.jpg

 玄関を入ると赤い絨毯が敷かれた階段が迎えてくれました。

2016-04-13 18.54.28.jpg

 2013年に立て直された現フェスティバルホール、さすがに綺麗で華やかな印象です。京都会館同様、バルコニー席も設けられて、クラシックやオペラなどにも合いそうです。

 しつこく会場内撮影禁止が叫ばれる中、監視員の目を盗んでスマホでパシャリ、慌てたせいでボケています。写真で見るとステージは遠く見えますが、席は今までで一番良くて、1階16列8番です。8番というのはやや通路寄りではあるのですが、16列はなんとSSのボックス席より二列後ろなだけでした。

 これだけ近いとオペラグラスは要らないかなと思いましたが、照明を落とし気味のステージでは、ボブ・ディランの顔をはっきり拝めなかったので使用しました。

 ボブ・ディラン、2年ぶりの来日だそうですが、コンサートツアーは実に15年振りだそうです。初来日は1978年です。その頃私は27歳で東京暮らしでした。彼の来日はけっこう騒がれていたのでコンサート、行こうか迷ったのですが、その頃のディランは、もうかつてのディラン(60年代の)ではないとか言われていて、行くのを断念した記憶があります。

 長い時間を経てみれば、彼の変貌には一貫したものがあったのでしょうが、その頃のディランにはフォーク、あるいは反体制の旗手という強烈な印象があったので、変貌も大きく取りざたされたのだと思います。

 それから約40年近くが経って、ディランは74歳になり私は64歳です。ふたたびコンサートに行くチャンスが巡ってきて、実際行けるようになるとは当時の私には想像もつかなかったことですね。

 ディランと言えば誰も思い浮かべるのが「風に吹かれて」です。私がディランを聞いていたのは初期のベスト盤だけです。「時代は変わる」「ミスター・タンバリンマン」、「ライク・ア・ローリングストーンズ」などです。彼がこの40年近く、どのように活動してきたかほとんど知らないのです。

 案の定、コンサートで歌われた曲はなじみのないものばかりでした。照明を落としたステージには、思ったより小柄なディランが帽子を被って立っています。彼は足を少しはじかって歌います。間奏の間には、時々屈伸する動作を交えたりしていました。声はしゃがれていて、歌い方はひどくぶっきらぼうです。

 満員の観客はダイアナ・クラールの時に比べると熱狂的でした。時々、バラード曲などでは拍手が起こり声がかかるので有名な曲なのでしょうが、私には判りませんでした。

 それどころかシンガーソングライターの曲の常、皆同じように聞こえてしまいます。フォーク調、ロック調、カントリー調、彼の音楽はいろんなジャンルが混在しているようです。

 ひどく硬派なコンサートでした。MCは一切なく、ただ彼は次から次へと淡々と歌い続けるだけでした。一度だけ彼が放った言葉がありました。一回目のステージの終わり、休憩に入る前に彼は日本語で「皆さん、ありがとう」と言ってステージ裾に下がりました。

 席が良かったせいか、さすがフェスティバルホール、音は良かったですね。ディランのバックバンド、かなり演奏の質も高かった気がします。

img077.jpg

 19時から始まって、21時になろうとしていました。そろそろステージも終わりに近づいているなぁと思った頃、おや、と思う曲が歌われました。なんと大スタンダードナンバーの「枯葉」です。いつもぶっきらぼうで言葉を吐き捨てるように歌うディランですが、「枯葉」を歌う彼の声は暖かく優しかったですね。

 「枯葉」が最後の曲になりました。割れんばかりの拍手に呼び戻されて歌われたアンコールは二曲でした。なんとその中に「風に吹かれて」があったのだそうです。ただ、アレンジがきつくて、元のイメージは全然残っていなかったそうで、私も全然気づきませんでした。

2016-04-13 21.15.31.jpg

 フェスティバルホールの窓から見下ろした雨の交差点

2016-04-13 21.16.03.jpg

 ホール内のおしゃれなロビー

2016-04-13 21.27.45.jpg

2016-04-13 21.31.00.jpg

 コンサートが終わると中之島の夜はすっかり更けていました。

img078.jpg

 ダイアナ・クラールから始まったコンサート、井上陽水のコンサートに行ったとき、陽水もダイアナ・クラールのコンサートに行っていたことを知りました。そして、ダイアナ・クラールのツアーの名前はボブ・ディランの曲「WallFlower」でした。ディランが今回のコンサートで「WallFlower」を歌ってくれたら見事に繋がったのですが、さすがにそうは問屋が下ろしてくれませんでした。

 コンサート、私にしては珍しく続きましたがたまにはいいものですね。都会の夜、コンサート会場の華やかな雰囲気も、田舎暮らしの長い私には新鮮でした。

 今回、フェスティバルホールで生演奏を聴いて(もちろんPAは入ってますが)、自分の部屋のオーディオの音に少し疑問を持ちました。それで帰ってから少しだけオーディオ装置に手を加えましたが、その話はまた次の機会にしたいと思います。




nice!(35)  コメント(27) 

陽水を楽しむ [音楽]

1-_DSC0500.JPG ホトケノザ

1-_DSC0501.JPG ヒメオドリコソウ

 まだ寒い日があったり、暖かい日があったりと、3月は毎年のことながらもどかしい思いをさせられますが、春を告げる雑草の花が休耕地のあちこちに今年も咲き始めてきました。

1-DSC_2416.jpg

 モクレンももうすぐ咲きそうです。今朝は、今年初めてウグイスの声を聞きました。桜の蕾も膨らんで、気がつけばお彼岸、そして今日は12月に亡くなった先住職の100ヶ日の法要です。


1-DSC_2399.jpg

 私にしては異例なこと、まるで盆と正月と誕生日とクリスマスがいっしょに来たみたいなことなのですが、先月のダイアナ・クラール、今月の山中慎介選手のタイトルマッチ、それぞれの興奮冷めやらぬうちに、またしても今度は井上陽水のコンサートに行ってきました。

 井上陽水が今続けているツアーは「ユナイテッドカバー2」2016なのですが、去年は当然2015でした。10月に我が滋賀県は守山市民ホールに来てくれたのですが、私は知りませんでした。同級生の一人が聞きに行った模様をブログに上げていて、自分も行きたかったなぁと思ったのでした。

1-DSC_2395.jpg 平安神宮の鳥居

 ダイアナ・クラールのチケットをチケットぴあで取得したときに、ホームページを見ていたら、井上陽水の2016年のツアーの情報があり、なんと京都でのコンサートが迫っているのを知りました。2016は2015に行けなかった所を回っているらしいです。京都は中でも追加公演だったようです。

 日頃の罪滅ぼしをかねて、今回は妻を誘うことにしました。私と妻は6歳違い、趣味も性格もかなり違うのですが、陽水ならぎりぎりリンクするのではないかと思いました。

 日時はお寺の御忌の前日です。去年までなら役や当番が当たっていたので前日準備があり、あきらめなければいけないところでしたが、今年は無役です。早速申し込んだチケット、S席は取れませんでしたが何とかA席を二枚ゲットすることが出来ました。

1-DSC_2396 1.jpg 平安神宮前、疎水にかかる橋より東山を仰ぐ

 場所は、ロームシアター京都です。何処かなと調べてみたら昔の京都会館でした。長い間、工事していたのですが、今年の一月改装オープンしたのだそうです。

 この間のダイアナ・クラールは遠すぎて顔も見えなかったので、オペラグラスを今回に備えて買ってありました。ところが持って行くのを忘れ、途中で取りに戻るハプニングがありましたが、早めに出ていたので17時の開場には間に合いました。

1-DSC_3481.JPG 「平和の女神」

 京都会館の玄関前には、山田良定先生の「平和の女神」像が置かれていたのですが、工事中は撤去されていました。もう戻れないのかと心配していましたが、場所を少し変えて西の端の方にありました。

1-DSC_2398.jpg

 京都会館に併設されていた建物、以前は何だったのか忘れましたが今は、おしゃれな蔦屋スターバックスコーヒーに生まれ変わっていました。

1-DSC_3483.JPG

 ロームシアター京都(京都会館)正面から見ると外観はあまり変わって見えなかったのですが、柱が増えているような気がしました。また、疎水側から見ると外壁が綺麗になっていました。

 入ったのは、たぶん30年ほど前、カウント・ベイシーを聞きに来て以来です。中はまるで別のホールのような変わりようでした。綺麗でモダン、4層バルコニー構造と言うそうで約2000人収容だそうです。上野の文化会館を思わせる構造、クラシック音楽などにも合いそうです。

1-DSC_2401.jpg

 私たちの席はその四階です。四階には4列しか席がないのですがその3列目という条件でした。ダイアナ・クラールの時と言い、チケットぴあ、ろくな席を取ってくれないな、と思っていたのですが、救いは左右の真ん中、ステージの真正面だったことで音響的にはばっちりでした。四階席、確かに上から見下ろすことになりますが、一階後ろのダイアナ・クラールの時より近くに見えました。

1-DSC_2400.jpg

 会場入り口で待っている時から感じていたことですが、回りの観客たちはほっとするほど同年代のカップルが多かったですね。中には女性だけのグループとか若い人の姿もありましたけれど少数でした。

 陽水さん、登場すると挨拶なしでいきなり「カナリア」を歌い出しました。大柄で昔のイメージからすると少しふくよかです。2.3曲歌って、ようやく挨拶が入ります。

 「京都の皆さん、並びにその近郊の皆さん」などと挨拶して小さな笑いを取ってました。そのMCの中で、なんと京都は5年半ぶりということを告白していましたね。

 お喋りの間に何気なく挟まれるウィットに思わず反応しながら、やはり日本のミュージシャンのステージは、言葉の心配がいらないからいいなぁとつくづく思います。

 歌はもちろんですが、トークも楽しかったですね。あんなに喋るとは思いませんでした。時々話が脱線して何処へ行くのかと思ったら、話の結末にはちゃんとオチが付いていて脱線も計算のうちなのでした。

 トークの中にあった話で驚いたのは、先日の大阪でのダイアナ・クラールの公演、彼も聞きに行っていたのだそうです。席は前の方だったそうですが、思ったより音が小さくステージが遠くに感じたそうで、今度から補聴器とオベラグラスがいると言うオチが付いていました。

1-img074.jpg

 歌は、知っている曲と知らない曲が交互に歌われている感じでした。知っている曲だけを並べると「カナリア」「飾りじゃないのよ涙は」今回のツアータイトル「ユナイテッド・カバー2」から「シルエット・ロマンス」「リンゴ」「女神」「瞬き」「あの素晴らしい愛をもう一度」などです。

 今回のツアーのテーマはカバーなんですが、「女神」と「瞬き」はオリジナルで、NHKの番組、ブラタモリのテーマとエンディング曲と言う説明がありました。

 15分の休憩を挟んで、後半は「ジェラシー」「氷の世界」「夢の中へ」と懐かしいナンバーが続きました。私たち世代には何より嬉しいことですね。とくに「氷の世界」「夢の中へ」は歌うと思っていなかったので嬉しかったです。私が彼を聞くようになった原点です。

 異様に長いアンコールの拍手の後、彼はなんとシャツを着替えて再登場してきました。いかにも着替えていたから遅くなってしまったんだよと言わんばかり、これも彼特有のユーモアなんでしょうね。

 アンコールは確か3曲歌ってくれたと思います。最後が「夏の終わりのハーモニ」でしたか。最後はステージも観客席も最高に盛り上がってましたね。17時半から20時過ぎまで休憩を除いて約2時間半、熱唱でした。私より三歳上の67歳ですが、エネルギッシュでパワフルですね。

 満員の会場は大盛り上がり、まるで2000人の同窓会のようでした。隣の席の我が相方も、なんのかのと言いながら、時折オペラグラスをのぞき込んだり、一生懸命手を叩いたりしてましたね。




nice!(46)  コメント(26)