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竹の秋~「人生が二度あれば」 [音楽]

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 五月の陽光を受けた桜の若葉がいよいよ緑の色を濃くしています。その葉を透かして木漏れ日が斑に庭に落ちています。


 朝、畑に出てみるとヒバリやムクドリの声がかまびすしくしています。畑の周りでは数羽のツバメが面白いように黒い背や白い腹を見せて低空を滑空している姿が目にとまります。カメラを向けてみるのですが、動きが速すぎて捉えられません。


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 3週間ほど前に今年最初の草刈をした休耕地のあとに、もうシロツメクサが咲きそろい始めています。畑の夏野菜たちも日に日に成長しているように、回りの草たちも成長しているのですね。ただひとつ遠景で枯れた色を見せている竹藪、春の季語、竹の秋です。


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 以下の文章はほぼ一年前に書いて、そのままにしていました。内容が一年前のものなので年齢などが違っていますが、そのことを加味してお読み下さい。 


 


 コンサートに行ったせいで、このところダイアナ・クラールと井上陽水をよく聞いています。部屋で聞くだけでなく車の中でも聞けるようにしています。


 英語の歌だと意味が分からないので、純粋に音楽と声だけを楽しめるのですが、日本語の歌は意味が分かるので良い面と悪い面がありますね。今回はつい、歌詞の意味に引っかかってしまった話です。


井上陽水「人生が二度あれば」の歌詞はこちらです。



断絶

断絶

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルJ
  • 発売日: 2006/10/04
  • メディア: CD


  「人生が二度あれば」ある意味衝撃的なタイトルです。1972年、井上陽水デビューシングルになります。もちろん作詞作曲も陽水自身、最初のアルバム「断絶」にも収録されています。


 アルバムは持っていませんが、二十代前半か中頃、東京のアパートでこの歌を聞いた記憶があります。恋や愛の歌が多い中で、考えさせられる歌だったので印象に残っています。歌詞に重ね合わせて、田舎の両親のことを思ったものです。


 ディスコグラフィを見ると、アルバム「断絶」は1972年に発売されています。井上陽水は1948年生まれなので、この歌は少なくとも彼が二十四歳以前に作ったことになります。


 歌の内容からしても彼の両親、あるいは彼の両親世代を歌ったものだと思います。今更ながらその若さでこのような歌詞の歌をひっさげてデビューしてきた陽水に畏敬の念を覚えます。 


 私は陽水より三歳下ですが、ほぼ同世代ですから私の両親もまた彼の両親と同じような世代だったと思います。そして実際、この歌詞の通りでした。


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 私の両親もこれと言った趣味も持たず、朝から晩まで働きどうしで、ただ子供たちの成長だけを楽しみに人生を送っていました。


  父は寡黙であまり苦労を語りたがりませんでした。口を開くと愚痴に成るからと思っていたのかも知れません。反対に母は自分の子供時代のことなどを時々愚痴っていました。でも性格は反対で父は内向して暗く、母は口で言っている割には楽天的だったような気がします。


 それがいつの間にか一回りして、私がこの歌の両親と同じ歳になるとは。当時の私には想像も出来ないこと、ある意味愕然とします。


 聞きながら、でもと思います。この歌は六十五歳になったものへの歌ではなく、六十五歳の親を持つ子供が親のことを思う歌なのだと。今、六十五歳になる我々は必ずしもこの歌の通りではないのではないかと思います。


 まず私たちと親の世代では時代が違いすぎます。私たちは親たちの苦労のおかげもあって、いろんな意味で恵まれていたように思います。進路を選ぶ自由もあり、好きかってさせてもらう余裕のようなものがありました。


 六十五歳になったからと言って、もう一度人生をやり直したいとか、人生が二度あればなどとは思いません。良くも悪くも今までの人生で十分ではないかと思っています。


 もっとも私がどう思おうと、子供たちが私をどう見ているかは別です。彼らから見れば、確実に親の姿は小さくなり、顔のシワと白髪は増えて写っているはずです。六十五歳になってもまだ働こうとする私を働き詰めと思っているかも知れません。


 翻って、私たちの両親だって、もう一度人生をやり直したいと思っていたかどうかは定かではありません。確かに客観的に見ても、あの世代は、選ぶ自由はなく、青春時代は戦争の中にあり、物資のない貧しい時代を生き抜き、戦後復興を支えて働きづめでした。でもだからといって、彼らが自分の人生を否定していたかどうかはわかりません。


 


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父と母がこたつで お茶を飲み
若い頃の事を 話し合う
想い出してる
夢見るように 夢見るように


 家に残る古いアルバムに、弟が撮った二人のそんな写真があります。穏やか表情を浮かべてコタツを囲む二人の姿、その心の内を子供といえども推し量ることは出来ません。


 私たち夫婦も歳を重ねて、たまにこの歌詞のように昔話を語り合うようになりました。そんな私たちを見て、子供たちは私たちのことをどう思っているのでしょうか。


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 「人生が二度あれば」をYouTubeでさがしてみたのですが、カバーばかりでオリジナルが見つかりませんでしたので、「心もよう」にします。




 


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